美術工芸学部は、伝統芸術文化の継承と創造的芸術の表現を専門的かつ横断的に教授研究して、優れた芸術家をはじめとする社会的に活躍できる人材を育成し、もって幅広い芸術文化の発展に貢献することを目的とする。(学則第2条の2)
卒業生には、学士(芸術)の学位を授与します。卒業後は、それぞれの専門分野にしたがって作家活動、大学院への進学、公務員、教員及び関連企業等への就職など各自の修得した造形能力および文化的見識を社会の多方面の分野で発揮していくことが期待されます。
また、教員を希望する者は、教育職員免許法に定められた所定の単位を修得すれば、中学校教諭1種免許状(美術)と高等学校教諭1種免許状(美術、工芸)を取得することができ、博物館学課程所定の単位を修得すれば、学芸員の資格を取得できます。
美術学科は、絵画専攻と彫刻専攻と芸術学専攻とに区分され、造形芸術の基本となる分野についての教育研究を目的としています。
デザイン工芸学科は、デザイン専攻と工芸専攻とに区分され、生活に関わる造形芸術についての教育研究を目的としています。
本学科はデザイン専攻と工芸専攻とに分かれた教育課程となっていますが、沖縄における伝統工芸との関係からデザインと工芸の関連性にも配慮した教育に特色をおいています。
自由な精神を礎に人間性を表す芸術活動は、優れて人間らしい営為です。先史の洞窟画や縄文の造形が物語るように、古より芸術は人の生活と共にありました。そして、今日の高度情報化社会においては、今まで以上に、人には豊かな感性や自然観が求められます。したがって芸術諸領域に携わる者には、今後ますます社会的役割が期待されると同時に、責任ある場面も増してくることでしょう。
美術工芸学部では、将来、作家や研究者、教育者として世界に貢献できる人材の育成を念頭に、個性を尊重した少人数教育を行っています。その中で、美術を志す人に求められる多様な価値観への理解と、多角的な視点の獲得を共に目指します。
現代の高度なICT社会にあっては世界の平準化は進むばかりです。だからこそ美術の多様性、独創性の源である、既存の価値観に囚われない批評的精神を、生涯を通して更新し続けたいものです。
何よりも、他者や異文化を受容し個性ある優れた文化芸術を創造してきた沖縄の歴史と、都市部にあっても自然の変化を間近に感じることができる沖縄の環境が、美術を志す人に必要な柔軟でタフな精神を育んでくれるに違いありません。
美術工芸学部長 波多野 泉(はたの いずみ)
沖縄県立芸術大学美術工芸学部では、沖縄の伝統に根差した美術工芸はもちろん、造形芸術に新たな地平を切り拓き、自ら社会的役割を見出せる作家や研究者などの専門家の養成をめざします。
高い技術や専門知識、総合的かつ国際的な視野を身につけ、次代を担う個性的で優れた人材を育成します。
大学ディプロマ・ポリシーを基本に、学生個々の感性とそれぞれの専門分野における造形力や学習能力、知識・技術の深度、卒業後も主体的に研究を継続できる能力等を総合的に評価し、学士(芸術)の学位を授与します。